腰の痛みについて|原因と対処・治療方法
腰痛は日本人に最も多い症状(有訴率1位)で、現在2800万人。4人に1人が腰痛持ちといわれています。
欧米などの狩猟民族と日本の農耕民族など、もともとの文化の違いからの体の体質の違いなども日本人に腰痛が多い特徴ともいわれていますが、このページでは現代社会において特に多い腰痛の種類や原因・対策や改善方法をお伝えしていきます。
腰痛の原因
骨・軟骨・筋肉などによる腰痛
整形外科での診察で症状が診断されます。これらのどれかが疑われる場合は整形外科へ行くことで詳細な検査が可能ですが、病院が苦手だったり、はっきりしない場合は当院ご相談ください。
また、ちちぶよしだ整骨院は、整形外科や病院で診断を受けた後の施術や復帰に特化したリハビリも専用のスペースで行うことが可能です。
◆骨・軟骨・筋肉などによる主な腰痛
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 腰椎分離症・すべり症
- 骨粗鬆症・腰椎圧迫骨折
内臓や血管・その他病気による腰痛
急な激しい安静時痛、発熱、麻痺、冷や汗などの症状がある場合はこれらの病気が疑われます。 早い段階での治療が必要なので、このような場合は救急車を呼ぶことを躊躇する必要はありません。
◆内臓や血管・その他病気による主な腰痛
- 脊椎炎
- 癌の転移
- 腎結石・胆石
- 子宮の病気
- 大動脈解離 など
痛みや症状の種類
ここでは、一般的に多い前述した骨や軟骨・筋肉などによる腰痛の症状についてお伝えします。ご自分の症状で該当する腰痛の症状があるか確認してみましょう。
腰椎椎間板ヘルニア
椎間板が圧迫されて、内側にある髄核(ずいかく)というゼリー上の物質が押し出され(あんぱんが椎間板だとすると、中のあんこが皮を破って外に出てくるようなイメージ)、すぐ後ろにある神経を直接圧迫することで起こるのが椎間板ヘルニアです。
特徴は、高齢者よりも20〜40代の男性に多く、かがんだりするような腰を曲げる動作で痛みが出やすく、反らすと楽です。また、ふくらはぎや膝裏、足の親指や足裏に痺れや触った時の感覚の低下などもみられることがあります。
猫背で後ろ体重になり長時間座っている時間が長い方に多い一方、重たいものを急に持ち上げてぎっくり腰と同時に発症する方もいます。
脊柱管狭窄症
加齢などの原因で、腰の骨の神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されて腰痛や足の痺れが起こります。
特徴は、40歳以上の方に多く、200〜300mくらい歩くと、膝から下が痺れたり、つらくなったりして足がもつれて、一度休むとまた歩けるようになるという「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」がみられます。腰を反る動作で痛みが出やすく、背中を丸めてかがむと楽です。
腰椎分離症・すべり症
腰の骨に疲労骨折が起こり、骨(腰椎)の一部が分離することをいいます。分離症が進行すると、分離した骨がズレて「腰椎すべり症」になることがあります。
特徴は、10〜15歳の腰の過度な捻りの動作や回旋ストレスが激しいスポーツをする子供に多く、腰を反る動作で痛みが出やすいです。
骨粗鬆症・圧迫骨折
骨が脆くなり、腰痛だけでなく様々な部位の骨が骨折しやすくなってしまうのが骨粗鬆症です。
特徴は、50歳以上の女性に多く、加齢や運動不足・閉経などが原因で起こることが多いです。自覚症状は少なく、脆くなった骨が圧迫され、上下で潰されるようになるのが圧迫骨折です。
背中が丸くなったり、身長が縮んだりという自覚が少しずつ芽生えることも一つの特徴で、メディアなどでは圧迫骨折のことを「いつのまにか骨折」といわれるほどです。一方で、圧迫骨折は、転倒やしりもちが原因で発生することも多くあります。
腰が痛む人に特に多いパターン
腰痛になる方は、正しい体の使い方ができていない場合が多いです。
具体的には、腰に必要以上に仕事をさせてしまっている、つまり、使いすぎ・酷使です。
安定性と可動性について
人の全身には、膝や手首や肩なども含め、関節が約260ほどあるともいわれています。この関節の役割を大きく2つに分けると、安定性と可動性に分けられます。
たくさんの安定させる関節と動かす関節がお互いにサポートしながら連動することで、1つの動作が行われているのですが、この安定と可動が正しく連動せずに結果的に腰痛になる方が多いのです。
腰は、安定性の関節
腰は安定性と可動性のどちらか?と聞かれれば、「可動性」と答える方は多いのはないでしょうか。
「腰を反る」「腰を捻る」「腰を回す」などと聞くように、このような言葉のイメージから、反るのも捻るのも腰をイメージして動かしている方が多いのです。しかし、腰は安定性の関節なので、反るのも捻るのも腰にばかりやらせてしまうと腰痛になるのです。
重要なのは、可動性の関節を可動させ、安定性の関節にまで、可動の仕事をさせないことです。腰ばかりに腰以外の仕事まで毎日押し付けていれば、壊れるのは当然です。
では、具体的にどこを可動させればいいのでしょうか?
腰痛の対策・改善方法
安定性と可動性の関節は交互にあり、腰の上下の関節である背中と股関節が可動性の関節です。
言い換えれば、背中と股関節が可動せずに、背中と股関節の仕事まで腰にやらせてしまっている人が腰痛になりやすいので、しっかりと股関節と背中を使えるようにすることが腰痛の対策・改善方法になります。
腰で反るのではなく、背中で反る
背骨の動きは、頸椎(7個)・胸椎(12個)・腰椎(5個)の合計24個の積み重なった骨で連動して起こりますが、腰痛になる人は腰だけで沿ってしまっている人が多いです。大事なのは胸椎の部分も使えるようになること。
腰椎だけでなく、背中の胸椎の反りを意識できる体操があります。
- 壁に向かって肘を90°くらいの角度で軽くバンザイをします
- 壁に胸・膝・つま先をつけます
- 胸・膝・つま先が壁から離れないようにゆっくりスクワットをしていきます
- 呼吸はスクワットで吐き、戻るときに吸う
目的は、あくまでも深くしゃがめれば良いというわけではなく、数センチでも良いのでゆっくりとしゃがみながら、背中の筋肉が使われていることを感じることです。
壁から胸が離れると腰を反ってしまい腰に余計な負担がかかり始めます。スクワットの深さよりも、胸・膝・つま先を確実に離さない範囲で背中の筋肉を感じることに集中しましょう。
この体操を日々繰り返し行うことで、過去の体を反るイメージを腰から背中に分散することができ、腰痛の予防にもなりますし、反り腰の改善にも効果的です。
腰で捻るのではなく、背中で捻る
- 椅子に座って、腰を捻って後ろを振り向いてみましょう。
- 正面に何が見えるか確認します
- 元の位置に戻り、今度は目ん玉から首→肩→背中→腰→股関節のように、上から順番に動かしていきながら振り向いてみましょう
当然ですが後者の方が振り向いた時の見える景色が違うでしょう。
普段から腰だけで動いてしまっている人は、目から背中、そして股関節を使わずに腰だけに無理をさせてしまっています。捻る時は腰からではなく、目ん玉から順に捻るイメージを持ってみると、実際に使う部分が分散され腰の負担を軽減できます。
腰で曲げるのではなく、股関節で曲げる
ぎっくり腰や腰椎椎間板ヘルニアになる方は、股関節を使わずに腰で体を曲げる癖がついている方が多いです。
床に手をついて前屈をしようとした時に、腰から曲げようとしている方は腰痛になりやすいです。
前屈は、腰椎では40°しか動かすことはできません。しかし、股関節は70°も曲がります。股関節の70°に腰椎の40°が加わり、110°の動きができる人は床に手がつきます。
もちろん太ももの裏側の筋肉の柔軟性が乏しいことで前屈できない人もいますが、股関節の意識が低いことで、腰だけで前屈している方は前屈で床に手が届くことはありません。
上記の写真は、股関節の使い方を指導しただけで、施術は行っていません。正しい体の使い方がわかるだけでもこんなにも変わるのです。
また、物を拾う時など、股関節を使わずに腰だけを使う癖があるかたは、股関節を使うことで腰の負担を軽減できます。
このように、反ったり捻ったり曲げたりする全身の連動した動きを腰だけで毎日、毎週、毎月、毎年生活すれば腰痛になるのは当然ですよね。
「根本的に直す」には、このような日々の積み重ねの負担を減らすことは不可欠です。しかし、すでに痛めてしまっている腰に関しては、専門的に治療する必要があります。
秩父市ちちぶよしだ整骨院の治療
ちちぶよしだ整骨院では、痛めてしまった腰の治療はもちろんのこと、なぜ痛めてしまったのかの原因の追及から、現在痛めている組織の状態の把握・見える化、再発防止のためのリハビリ、正しい体の使い方のアドバイスまでトータルでサポートしています。
腰痛の場合、痛みの改善に特化したハイボルト治療や、歪んでしまった骨盤矯正、腰の周囲の筋肉を支えるインナーマッスルのトレーニング、硬くなった筋肉を直接ほぐすマッサージなど、患者さん一人一人の原因や状態に合わせたメニューをご用意しています。
ちちぶよしだ整骨院の施術メニューに関しては以下のボタンからご確認いただけます。
※肩こりにもお悩みの方はこちら
※頭痛でお悩みの方はこちら
よくある質問|検査・予防・姿勢など
Q 病院ではどんなことするの?
病院では、腰痛の場合、症状に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査を行い、飲み薬や貼り薬、塗り薬などの処方を受けることが一般的です。
痛みの組織への直接的な治療や体の使い方の指導や再発防止のリハビリなどはあまり行っていません。
Q 整体院ではどんなことするの?
整体院では、院にもよりますが、硬くなった筋肉をほぐす施術が多いです。
検査や痛みへの治療や筋肉トレーニングなどはあまり行っていません。
Q サポーターやコルセットはしたほうが良い?
痛みが強い時や、動作によっては痛みが強く出る時はサポーターやコルセットはおすすめです。
ちちぶよしだ整骨院では、しっかりと原因を分析し、間違えた体の使い方を理解し、施術をおこないながら痛みが軽減されるまでの期間にサポーターやコルセットを使用することをおすすめしています。
Q ヨガは腰痛予防に効果ありますか?
ヨガは腰痛の予防に、自分自身の体に向き合う時間にもなることや体を使う時間を作るきっかけになることに加え、ストレッチの効果、呼吸への意識を高めるという意味でおすすめしています。
しかし、このページでも紹介しているように、ポーズに意識が向きすぎて無理に腰だけで反ったりなど、間違えた体の使い方で逆に負担にならないよう注意したうえで行うようにしましょう。
Q 腰痛と姿勢は関係ありますか?
腰痛と姿勢は関係します。特に、座っている時に骨盤が後ろに倒れていることが多い方は注意が必要です。まさにこのような方は普段から股関節を支えていない場合も多くなりがちなので、腰痛にならないように骨盤を立てて座ることを意識しましょう。
また、いくら骨盤を立てた姿勢を維持できても、動かない時間が続くことそのものが腰や体の負担に繋がるので、同じ姿勢が20分続くごとに体勢を変えたり一度体を動かすなども意識しましょう。